私たちについて

私たちが取り組む社会課題

⽇本には、重い病気や障がいがある⼦ども(スペシャルキッズ)が2022年3⽉の推計値で30万⼈に達し、その数は増加傾向にあります。そして、スペシャルキッズの多くは在宅での療養⽣活を送っています。 特に、医療的ケアが必要な⼦(約2万⼈)や外出困難な⼦を中⼼とした在宅療養者は、⽇々の⽣活や学校⽣活のみならず、⼦どもの成⻑にとって⼤切な経験や体験、様々な⼈との出会いの機会にも影響を受けています。また、本⼈のみならず、その⽣活を⽀える家族にも医療⾯・⽇常介護・体調観察など多くの制約を課されます。病状が重ければ重いほど、⼦どもの病態に関する医学的知識や禁⽌事項を把握せねばならず、⾝体に重い障害をもつ⼦どもの移動や⼿当てに対する知識、排泄・飲⽔・接触などの⽣活介護に関する知識が、⼦どもと接するに際して必要となってきます。その精神状態は、わが⼦の状態がいつ状態悪化や急変するのか予断が出来ない緊張状態が続いていると思われます。

私たちは、このスペシャルキッズとその家族に対して、⽇々の⽣活や将来に対して希望を持ち続けてもらうことを応援したいとの想いを持ってこの取り組みを始めました。スペシャルキッズの家族は、病状や治療に関する情報収集、⽀援者や同じ⽴場の⽅とのつながり、我が⼦の就学・進級・進学・就職といった⼈⽣の節⽬における判断材料、旅⾏や娯楽体験などの⼦どもの成⻑に必要な経験の充⾜化などの情報を様々な⼿段を⽤いて模索しますが、その中から適切な情報を探し出すことは、⽇々の⽣活に追われている状況下では困難な状況です。しかし、スペシャルキッズは100⼈いれば100通りの”特別な課題” があり、その課題解決のためには、より多くの情報や⽀援の⼒が必要となります。現状では、⼦ども・家族の体験、医薬分野での知⾒、福祉・ボランティアの経験などの価値ある情報がそれぞれ孤⽴していることから、その情報を有効活⽤されていない場合も多いという課題もあります。

そこで私たちは、この様なスペシャルキッズ関係する課題である全ての点を線でつなぐことが必要不可⽋であると考えています。そのためにも、スペシャルキッズの家族が何を求め、どのような課題を抱えているのかを抽出することで、医療的ケア児と家族が安⼼して⽇常⽣活をおこなえるための施作・⽴案に役⽴てていくことが、スペシャルキッズの課題解決につながる道だと考えています。